2018年9月25日火曜日

中日・荒木、後輩の成長を温かく見守るようになる

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1: 風吹けば名無し 2018/09/24(月) 12:00:30.18 ID:Z3GGxz420
 9月15日。マツダスタジアム。広島・中日25回戦。福田永将は2失策し、失点に絡んだ。血の気の引いている後輩に荒木はあえて明るく話しかけた。 

「福ちゃん、やっちゃったね! 俺もよくあった。やり返せ!」 

 福田は立ち向かったが、3打席2三振で途中交代。肩を落とした。 

「福田こそ鑑です。真面目で努力家。僕は彼が4番に座る日を待っています。だから、あの瞬間、思わず涙が込み上げました」 

 9月17日。東京ドーム。巨人・中日25回戦。福田は勝負を決める3ランをレフトスタンドに叩き込んだ。荒木はベンチでつぶやいた。 

「よくやり返したな」 

 5年で故郷に帰るかもしれなかった青年は夢舞台に立ち、勘違いし、甘えを断ち切り、常勝軍団の一翼を担うまでになった。今は若手の活躍を厳しくも温かい目で見守っている。 

「ところで、心に染みる曲は?」 

「槙原敬之さんの『僕の一番欲しかったもの』です。素敵なものを拾うのですが、僕以上にそれを必要としている人にあげちゃう。また、拾う。また、あげる。それを繰り返す歌」 

 多くのファンが荒木のヒットに興奮し、守備に魅了され、走塁に酔いしれ、笑顔になった。ベストナイン3回。ゴールデングラブ賞6回。通算2039安打。378盗塁。荒木は素敵なものを拾い続けた。 

 歌詞はこう続く。 

「ここまで来た道を振り返ってみたら、僕のあげたものでたくさんの人が幸せそうに笑っていて、それを見た時の気持ちが僕の探していたものだと分かった」 

 後輩の成長。ファンの笑顔。 

 プロ23年目。泥だらけのユニフォームが似合う41歳は今年、今までで一番素敵なものを拾う事ができた。 

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