2018年12月18日火曜日

猛虎は猫で勝負する?

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 17年ぶりにセリーグの最下位に沈んだ阪神が新監督・矢野燿大の下で逆襲の機をうかがっている。

 今月に入ってオリックスからFA宣言していた西勇輝を、また中日と契約条件で折り合わず退団していたオネルキ・ガルシアを獲得。先発投手陣の厚みが増したことは朗報と言えるだろう。中でもガルシアは昨季13勝9敗で中日の勝ち頭だけでなく防御率2.99もリーグ4位の安定感、ランディ・メッセンジャーと並ぶエース格にまで期待できる。

 恥ずかしながらの懺悔をする。実はシーズン前の順位予想で阪神を優勝と占った。パ・リーグは西武として大的中だったが、こちらは大外し。前年2位に躍進した猛虎軍団には、さらに躍進を期待される材料が揃っていた。当時の監督である金本知憲が育成に力を注いだ中谷将大、高山俊、大山悠輔ら伸び盛りのスター候補はいる。そこへ3億4000万円の巨額をはたいて獲得した助っ人のウィリン・ロサリオはキャンプ時点で40発も夢じゃない勢い。ここ数年くすぶっている藤浪晋太郎だって復活するだろう。「上がり幅」を最も予感させるチームが阪神だった。

 ところが、ふたを開けてみれば誤算の連続。期待の若手たちは故障や力量不足で早々と一軍から姿を消す。本塁打王候補と目されたロサリオは外角の変化球を全く打てずに欠陥品を暴露。投手陣こそ巨人に次ぐリーグ2位のチーム防御率を残したが、ともかくチャンスに打てない、一発は期待できないピストル打線で奈落の底に沈んだ。

 このよもやの転落劇の要因はいくつもあったが、中でも指摘されるのが指揮官・金本の独りよがり説である。2016年には「超変革」をキャッチフレーズに若手育成路線に舵を切った。しかし、一方で阪神という人気球団は常にファンとマスコミの厳しい目にさらされている。若手中心のオーダーを組んでも結果が出なければ叩かれる。今度は指揮官が我慢できなくなる。さらに矢野や片岡篤史らの「お友達内閣」では監督に意見を言える空気も年々薄らいでいったと証言する向きもある。最後は最下位に甲子園で39敗は球団史上ワースト、空中分解の末に金本は裸の王様で退陣の憂き目を見た。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181217-00174380-baseballk-base

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